「画家=絵が描ける人しかなれない」このように考えて、画家や作家としての活動を諦めていませんか。
たしかに、画家として活動にするには、絵を画する技術や、作品を作るスキルは必要です。しかし「絵が描けないと画家には慣れない」と考えるのは早計かも知れません。
この記事では、絵が描けない人でも画家として活動できる理由や、未経験から画家になるために必要なものについて解説します。
作品づくりのヒントから実際に作品を展示できるまでの方法まであわせて紹介するので、絵をこれから始めるの方にとって、画家としての活動をスタートするキッカケになれば幸いです。
絵が描けない人でも画家として活動できるのか?
結論からいうと、絵が描けない人でも画家としての活動は可能です。
なぜなら、初めから絵が描ける画家やアーティストは存在しません。画家の多くは「自分で作品を作ってみたい!」という、子供心に近い感覚から活動をはじめています。
なので、あなたが感じている「絵を描いてみたい」という気持ちがあれば、誰でも画家として活動できるのです。
とはいえ、どのような絵を描きたいかによって、準備や学び方は変わります。
作品作りに対する知識・技術が無い状態であれば、展示会や美術館に足を運び、「こんな絵を描いてみたい!」と感じる作品をみつけましょう。
未経験から画家になるには何が必要なのか
「絵を描きたい!」と考えているなら画家になれる、とはいったものの、具体的な方法がわからないと前進することはできません。
ここでは、未経験からになるために必要なことについて解説します。順番に説明するので、参考にしてください。
未経験から画家になるために必要なことは、以下の4つです。
- 作品を作るスキル
- 展示活動
- 画家としての名前を決める
- SNSを解説する
それぞれ順番に解説します。
作品を作るスキル
はじめに、「どんな作品を作りたいのか」を考えましょう。
絵画には、風景画・人物画・抽象画など、さまざまなジャンルがあります。
人物を書くには、骨格や筋肉をはじめとした人体構造の知識や、デッサン力が必要です。
抽象画であれば、デッサン力は必要ありませんが、混ぜて色をつくる[混色」についての知識やスキルが必要になります。
上記もように、あなたが作りたい作品のジャンルによって、必要なスキルは異なるのです。
まずは、美術館やアートイベント、個展などに足を運び、さまざまな作品に触れることをおすすめします。
自分が好きな傾向や、「こういうテイストの作品を描いてみたい!」など、あなたの心に響く作品を理解できるでしょう。
描きたい作風がわかったら、何から学ぶ必要があるのか、どんな画材を準備するべきかを考えていきます。
展示活動
画家として活動するなら、展示活動は必要です。なぜなら、あなたの作品を、多くの方に見てもらう必要があるからです。
作品を展示をするには、作品と場所が必要です。
展示方法を大きく分けると、二通りあります。
展示方法1:自分で個展を開催する
一つ目は、自分で場所を探して、個展を開催する方法です。
本格的な個展会場といえば、画廊やアートギャラリーが挙げられます。しかし、カフェや雑貨店の一角で、作品の展示ができるケースも、近年では増えています。
カフェや雑貨店での展示は、作家だけではなく、来場者も個展を気軽に楽しむことが可能です。
カフェや雑貨店からはじめるのもおすすめです。知り合いのカフェやお店など繋がりがあるなら、聞いてみるのもいいでしょう。
展示方法2:グループ展や企画展に参加する
二つ目は、ギャラリーなどが企画している、グループ展や企画展に参加することです。
複数名のアーティストが集まり作品を展示します。
グループ展では、展示できるスペースに限りがあったり、テーマの制約があったりします。
しかし、グループ展は、展示に慣れていない方におすすめです。
なぜなら、個展を開催するよりもハードルが低く、他のアーティストとの繋がれるからです。
そのため、自分で個展を開催する前に、自分の作品を試しに出展してみたい方におすすめです。
画家としての名前(アーティスト名)を決める
出展が決まれば、活動する名前を決めましょう。
もちろん、本名でも問題ありません。ローマ字にしたり、新しく名前を決めたりする方もいます。
作品にサインを入れることも多いので、今後の活動を踏まえて画家としての名前を考えてみましょう。
SNSを立ち上げる
少しでも多くの人に知ってもらえるきっかけになるので、SNSアカウントの解説はおすすめです。
できれば画家名(アーティスト名)で活動専用のアカウントを作りましょう。
作品や制作にまつわることをアップするなど、活動を拡散することで集客に繋がることもあります。少しずつでもいいので、継続することが大切です。
絵を描くスキルを身につける方法
ここまでは、未経験から画家として活動する方法について解説しました。しかし、肝心の「絵を描くスキル」を身につける方法までは、解説していません
なので、ここからは、絵を描くスキルを身につける方法について解説します。3つの方法を紹介するので、あなたにあった方法を活用してください。
絵を描くスキルを身につける方法は、以下の3つです。
- 美大・専門学校で学ぶ
- スクール・教室で学ぶ
- 独学身につける
それぞれ順番に解説します。
美大・専門学校
美術学校に入学し、絵を描くスキルや専門知識を身につける場合、美術大学と美術専門学校の二つの選択肢があります。
ここでは、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。
美術大学のメリット
- 大学卒(もしくは短大卒)の最終学歴を得ることができる。
- 美術に関する幅広い技術を学ぶことができる。
- 設備や、機材、製作場所の充実。
- 美術教師の免許を取得可能。
美術大学のデメリット
- 学費が高い。一般の大学と比較しても高い傾向がある。
- 一般教養の教育課程(外国語と体育)が課せられる。(受験も同様に普通科目あり)
- 画家(アーティスト)として活躍できるとは限らない。
美術専門学校のメリット
・必要な専門知識や技術を集中的に学べる。
・美術大学に比べて入学しやすい。
・ゲーム、アニメ系のイラストを学びやすい。
美術専門学校のデメリット
・企業にもよるが、世間的評価は大学卒よりも低くなる。
・画家(アーティスト)として活躍できるとは限らない。
幅広い技術を磨きたい方には大学が向いています。美術に特化した様々な設備で、専門的に学ぶことが可能です。
一方、学びたい内容が決まっている方(イラストを学びたい、デザインを学びたいなど)には、専門学校が向いています。
大学に比べ、専門学校は、ゲームやアニメ業界関係者で講師として勤めているケースが多いです。
ゲーム業界やアニメ業界を目指しているなら、専門学校がおすすめです。
スクール・教室
次に、絵画教室についてです。習い事のイメージが強いですが、本格的な技術を学ぶことが可能です。
学べる内容は、教室によって異なります。
- 子供から大人まで楽しみながら学べる教室
- 美大受験の美術予備校として、社会人向けの講座を開設している教室
前者は、初心者から本格的に学びたい人まで幅広い層に対応しています。
現役美大生や卒業生が講師として教えていることも多く、個人のレベルや、やりたいことに合わせて教えてくれる教室が多いです。
後者は、ある程度のスキルを持った人が、美大受験で合格を目指すためのものです。
学生はもちろん、大人になってから美大受験にチャレンジしたい人に向けての予備校とも言えます。
世の中に情報や知識は溢れてますが、基礎を一から学び、自分のつくる作品を評価してもらえることは、上達に繋がりやすいでしょう。
21時頃まで営業している教室も多くみられます。仕事の忙しい方は、遅くまで営業している教室がおすすめです。
もっと早くスキルを身につけたい、という方には、短期集中講座を受けられるスクールを検討しましょう。
教室やスクールによっては体験を受けられるので、講師の雰囲気をみて、自分に合った教室を選ぶといいでしょう。
独学
最後に、独学で絵を描くスキルを身につける方法を解説します。
技法が詳しく書いてある書籍や、Youtubeで絵の描き方を詳しく実践している動画も最近では多くみられます。
そのようなツールをうまく利用すれば、スキルを身につけることは可能です。
書籍には、技法についての細かい解説や、画材の説明などが記載されており、初心者にも分かりやすいものが非常に多いです。
Youtubeは、無料で見れて、実際描いている動画を練習しながら何度も見ることが可能です。
絵の描き方や画材選びで悩んでも、ネットで調べれば、大半の答えが出てきますよね。
学校や教室などと違う点は、自分が描いたものに対して、専門的なアドバイスをしてくれる先生がいないことです。
しかし、費用をかけずに学べることは多いので、まずは自分のできる範囲でやってみるといいでしょう。
独学で勉強したうえで、専門的に知りたいことや基礎的な部分を学びたくなったら、教室などを検討するのもひとつです。
初心者が画家として活動をはじめるメリット・デメリット
初心者が画家と活動するには、幾つのメリット・デメリットが存在します。
ここでは、画家として活動するメリット・デメリットを紹介するので、参考にしてください。
初心者が画家として活動を始めるメリット
まずは、初心者が画家として活動をはじめるメリットについて解説します。具体的には、以下の通りです。
- 画家として活動することで趣味の範囲を超えることができる
- 自分の作品を多くの人に見てもらえる機会が増える
順番に解説します。
メリット1 画家として活動をすることで趣味の範囲を超えることができる
趣味とは、あくまで自分が楽しむための事柄であり、仕事や職業とは異なります。
画家としての活動は、自分の作品を展示し、販売活動を行います。人の目に触れる機会が増えるので、応援してくれるファンも増えるでしょう。
そうすると、展示の魅せ方にこだわったり、作品に対する想いの伝え方を試行錯誤したりするなど、さまざまな工夫をするようになるでしょう。
画家として活動をすることで、自分のためだけでなく、多くの人の心を動かすことに繋がっていきます。
メリット2 自分の作品をたくさんの人に見てもらえる機会ができる
自分の作品をたくさんの人に見てもらえると、新しい仕事の依頼や、次の出展の依頼を受けるなど、活動の幅が広がるチャンスがあります。
たとえば、あなたの絵を気に入った人が「この絵で名刺をデザインして欲しい」や、「イベントに出て欲しい」など依頼が挙げられます。
見てもらう機会が増えれば、魅力的な出会いにもつながるでしょう。
初心者が画家として活動をはじめるデメリット
初心者が画家として活動をはじめるデメリットは、以下の通りです。
- 画家活動だけでお金を稼ぐのは簡単ではない
- 膨大な作業時間や広い場所が必要なるケースがある
デメリット1 画家活動だけでお金を稼ぐことは簡単ではない
販売した作品の売り上げだけで生活していくのはとても大変なことです。
作品作りには、材料費などの費用もかかります。ファンがいたとしても、展示した作品が必ず売れるという保証もありません。
画家活動でお金を稼ぐには、展示販売以外にも工夫が必要でしょう。
デメリット2 膨大な製作時間や広い場所が必要になるケースがある
使用する画材によっては、乾かす時間が必要で、作業を効率よく進めることができないことがあります。
大きなキャンバスなどで制作する場合、広い場所が必要となります。
作品のジャンルによってさまざまですが、自宅のスペースだけでは難しい場合もあるでしょう。
画家として活動をはじめる際の注意点
ここからは、画家として活動をはじめる際の注意点について解説します。画家として楽しく活動するためにも、理解しておきましょう。
画家として活動をはじめる際の注意点は、以下の通りです。
- ジャンルによっては初期費用がかかる
- 作品の販売価格は慎重に設定する
- 画材によっては肌にあわない可能性がある
順番に解説します。
注意点1 ジャンルによっては初期費用がかかる
デッサンなどの紙と鉛筆だけで作品を作れる場合は、初期費用は抑えられます。
しかし、アクリル絵の具や水彩絵の具などで絵を描きたい場合は、初期費用が必要です。具体的には、絵の具や筆、適した紙やキャンバスなどが挙げられます。
メーカーによって値段や特徴が異なるので、購入する前に下調べをするとよいでしょう。
注意点2 作品の販売価格は慎重に設定する
作品の金額は自分で自由に決めることができます。
しかし、あまりに安い金額をつけると作品の価値が下がることにもつながります。
一つの基準としていわれているのは、作品の大きさ(号数)によっての金額設定です。
しかし、使用する画材の違いや、制作時間なども考慮すると、号数だけでの設定は難しいでしょう。
二度と同じものを描けないため原画や、作者自身が思い入れがある作品は、それも金額設定に含まれていることもあります。
自分の作品を安売りしないよう、慎重に設定しましょう。
注意点3 画材によっては肌にあわない可能性がある
画材によっては、肌に直接触れると炎症を起こしたり、蕁麻疹、アレルギーを引き起こす可能性があります。
たとえば、絵の具の一部にクロム・コバルト・カドミウムなどという重金属類が含まれているものがあります。
敏感肌の人やアレルギーを持っている人はできるだけ、直接肌につかないように使用するなど、気をつけたほうがいいでしょう。
画家の活動をはじめる際のよくある質問
ここでは、画家として活動をはじめる際の、よくある質問を紹介します。
画家になるために経歴は必要ですか
経歴は必要ありません。
有名な画家には、美術大学をはじめとした専門的に美術を学んだ経歴の人も多いですが、独学で有名になった画家も存在します。
自身の持つ感性と、知識、スキルがあれば、画家になることができます。
画家として生計を立てることは可能ですか
簡単ではありませんが、画家活動を副業とすることで、収入を増やすことは可能です。
ま作品を展示販売する以外に、作風を活かしてデザインの仕事にチャレンジしてみるなど、選択肢を広げて収入を増やすことも可能でしょう。
作品を展示するにはどうしたらいい?
知人のお店や、地域のカフェなど、思いつく場所に自ら営業してみましょう。
また、参加者を募集しているグループ展などに応募すると、展示することが可能です。
まとめ
絵は描けなくても、自分に合ったジャンルや、作品づくりの方法をみつけることで、画家としての活動は可能です。
あなただけの感性を活かして、ぜひ、様々な作品作りや展示方法にチャレンジしてみてください。